「日本の職人の技術や文化を、動画で残していきたい」というコンセプトで、2015年1月に始動した動画メディア「ニッポン手仕事図鑑」。ウェブサイトでは50人近い職人の映像が公開されている。ほかにもさまざまな事業によって、職人と他業種の人びとの出会いをつくり、新しいビジネスが起こることも目指している。そして、第一回目となる映像コンペティション『ニッポンものづくりフィルムアワード』の表彰式がホテル雅叙園東京にて、9月25日(水)に開催された。
 『ニッポンものづくりフィルムアワード』は、日本が誇る文化や地域の伝統産業にフォーカスを当てるだけでなく、各地の映像クリエイターにも世に出る機会を創出することを目的としている。作品が10分以内であること、他コンクールに応募してないこと以外は条件は厳しくなく、全国から約90名を超える応募があった。その中から第一次審査で53本が選ばれ、さらにグランプリをはじめとする各受賞作が決まった。会場には、約200人近い出席者があった。

 

 

 グランプリは、大分県日田市の山あい、皿山を中心とする小鹿田(おんた)地区で焼かれる陶器、小鹿田焼の陶工を取材した『小鹿田焼 BELONG』。小鹿田焼は、西暦1600年に朝鮮から連れてこられた陶工により開窯された生活雑器。「飛び鉋」や「刷毛目」「櫛描き」の技法、「流し掛け」や「打掛け」といった華飾が特徴とされている。また素材となる土は、収縮率が大きく、割れやすく扱いにくいため、底部が小さくつくられているのも特徴だ。映像を製作したのは「心を驚かせ、結果をもたらすメディア作品」を目指して大分県を拠点に活動する㈱STEQQIで、彼らは多様性と個性を大切にする国際的なメンバーで構成されている。受賞の挨拶をした代表のカムガード・ワチャレイントーン氏は「小鹿田焼の歴史を9件でつないでいるその姿を見させていただいて、歴史に埋もれないようにつないでいることに尊敬の念を心から抱いています。制作過程はほぼ手仕事で、材料となる水、土すべてのものが彼らが暮らしている村の自然から準備されている。彼らが300年の歴史を守るのと同時に、彼らが大切にしている自然からの恵みです。私たちができることも同様に自然を大切にすること。そうした私たちの行動もまた小鹿田焼の継承につながっているのです。本当にありがとうございました」と喜びを語った。

 

 

 グランプリ作品には事前公表されていた賞金30万円、TOKYO MXでの放送、雑誌「TURNS」へのインタビュー掲載に加え、ANAの国際線機内で1カ月にわたり予告版が放送されることも発表された。

 

 

 

《グランプリ》
小鹿田焼 BELONG|小鹿田焼 陶工
大分県/株式会社STEQQI

 

《入賞》
硯に向かひて|作硯家
山口県/高木優

 

つたえたい|農業家
富山県/平島健一

 

《特別賞》
一期一句(いちごいっく)
|活字
東京都/地場産業プロジェクトチームippo

 

とじて竹ひらいて花
|轆轤職人・傘職人
東京都/森野継偉

 

京竹工芸 細川秀章
|竹工芸(編組)一級技能士
神奈川県/渡邊広樹

 

 

審査員
松浦弥太郎(エッセイスト、クリエイティブディレクター)、加藤浩次(タレント)、三島有紀子(映画監督)、福岡元啓(テレビプロデューサー)、岡本俊太郎(映像クリエイターのためのプラットフォーム『Vook』代表)、堀口正裕(『TURNS』プロデューサー)、大牧圭吾(動画メディア『ニッポン手仕事図鑑』編集長)

 

編集者名:今井浩一『engawa』

 

 

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